【多すぎる間違い!】Google検索広告は品質スコアを改善してもCPC(クリック単価)は”下がりません”!「広告ランクが鍵」

嘘だ!そんなはずがない!

いいえ、嘘ではありません。令和7年にもなっていまだに「CPC高騰しているので、品質スコアを改善してCPCを下げます」のような会話がなされているのをよく見聞きします。

厳密にいえば、一切の関係性がないとは言えませんが「品質スコアが向上したことに起因して、CPCが下がる」のは明らかに間違いです。もし、「実際に品質スコアが改善してCPCが下がったことがある」という方がいれば、それはデータの見方や仕様の理解が誤っている、そう見えた、そう思ってしまっただけです。

わかりやすくシンプルに解説していきます。

※まだ執筆中のため、文章がつながっていなかったり途中で終わっていたりします

品質スコアの理解を正す

まず、品質スコアの間違った理解を正すことが必要です。これがわかれば、この記事のタイトルの意味もすぐに分かります。では、Google 広告のヘルプで品質スコアについての説明を見てみましょう。

品質スコアは、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。

検索キャンペーンの品質スコアについて

なお品質スコアは、あくまで品質改善が必要な広告を特定する手掛かりとして提供されている診断用の数値であり、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。

広告の品質について

上記のように、広告オークションにおける評価材料になっていないことが明記されています。また、「あくまで品質改善が必要な広告を特定する手がかりとして提供されている診断用の数値であり」とありますが、わかりやすく言えば品質スコアは学校の「成績表」のようなもので、あなたの広告はこういうパフォーマンスだったので成績5をあげますね、みたいな感じです。つまり、配信した結果を(他の広告主と比べた”広告の品質”の目安のスコアとして)表示しているのであって、その数値を改善したらCPCが下がる、のは順序が逆です。タイムラインが逆です

これで、本記事のタイトルの意味がご理解いただけたのではないかと思います。続いて、「どうすればCPCを下げられるのか」「品質スコアの改善がCPCを下げることにつながらないなら、行った施策がCPCの低減に繋がっているかどうかを、どのようにモニタリングすればよいのか」「CPCはいつ下がるのか」などについて、順を追って説明していきます。

CPC(クリック単価)が決まる仕組み

この記事をご覧の方は、CPCを下げたい、CPCを下げる方法を知りたいのだと思いますので、CPCが決まる仕組みについて紐解いていきましょう。またGoogle広告のヘルプを引用しながら解説していきます。

クリック 1 回あたりの費用: 一般に、広告の品質が高いほうが、クリック 1 回あたりの費用は安くなります。広告の品質が低いと、表示のトリガーとなった検索語句の獲得競争がさほど激しくなくても、実際に発生するクリック単価が、ご指定の上限クリック単価に近い額になることがあります。

広告の品質について

皆さんがご存じの通り、「広告の品質」というものが高いとCPCは安くなり、低いと高くなります。この「広告の品質」と「品質スコア」がイコールであるような理解をして、だから品質スコアが上がればCPCが下がると思っている方がいるのかもしれません。しかし、「品質スコアの理解を正す」のところでお伝えしたように、品質スコアは過去の結果に基づくものであり、それを他の広告主と比べた”広告の品質”の目安のスコアとして表示しているものです。品質スコアが上がったら(上がってから)CPCが下がる、というものではありません

CPCが決まる仕組みをもう少し深堀ってみます。

ほとんどの場合、実際のクリック単価は上限クリック単価を下回ります。というのも、Google 広告のオークションでは、広告ランクの下限値を満たし、かつ掲載順位が 1 つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額のみが請求されるからです。

実際のクリック単価(CPC)

Google広告のヘルプをしっかりと隅々まで読んことがない方にとっては、
①「広告ランクの下限値」、も
②「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」、も
初めて見る内容かもしれません。

CPCが決まる仕組みの説明がかなり遠回りになってしまうので、①については最後の方で解説します

「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額のみが請求される」とは?

広告オークションの例を考えてみます。例えば、広告オークションに自分と競合1社が参加したとします。そのオークションで算出された自分の広告ランクが70で、競合の広告ランクが60だったとします。この時、広告ランクの下限値が20であったなら、自分も競合も広告の表示はできるということになります。さらに、検索結果の上部(自然検索の結果よりも上)に広告を表示するための広告ランクの下限値が40であったなら、自分も競合も自然検索の結果よりも上部に表示される広告枠に広告を表示することができます

次に、自分と相手の広告の掲載順位ですが、自分は競合の広告ランク60よりも上回る広告ランク70なので、競合よりも上に(先に)広告を表示する ことができます。

ようやくここで、「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」について触れることができるようになりました。このオークションの例の場合、「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランク」は60であり、その60を「上回る」広告ランクは61です。つまり、今回の場合は広告ランクが61になるために最低限必要な金額のみが「CPCとして請求される」ということになります。

だからそのCPCはいくらなんだよ、と思われた方はすみませんわかりません。なぜなら、この例で広告オークション参加時の入札単価を定義していませんし、そもそも入札単価がいくらなら広告ランクいくら分に相当するのか等という仕様・ロジックは公開されていません。広告ランク自体もそうですし、広告ランクを構成する要素も含めオークション時の評価(広告ランクがいくらだったのか、など)は全てブラックボックスです。

しかし、CPCを下げるには、「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」を下げればいいんだ、ということはお判りいただけたかと思います。

次からは、「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」を下げるために理解しておくべきポイントを整理します。

理解すべき3つのポイント:「掲載順位が1つ下の競合相手の広告ランクを上回るために最低限必要な金額」を下げるには?

ポイント1.広告ランクは「入札単価 × 広告の品質」で決まる

実際には、広告ランクを決める要素は大きく6つありますが、ここでは「入札単価」と「広告の品質」できあると思って差し支えありません。なぜなら、この2つがコントロール可能なレバーだからです。

そして、広告品質とは、

ポイント2.広告ランクは広告オークション”ごとに”算出される

例えば広告の表示回数が1,200回で「検索広告のインプレッションシェア」が30%であった場合、広告オークションが4,000回(1,200÷30%)あったうちの30%である1,200回はオークションに勝って広告が表示できたということを意味します。

CPC(クリック単価)は、広告が表示できて、かつ広告がクリックされて初めて管理画面に出てくるものですが、ここで大事なのは「広告ランクは広告オークション”ごとに”算出される」ということです。

したがって、入札単価を変更した、広告文の見出しや説明文を変更した、ということがあると、それが反映された「次回の広告オークション」から広告ランクは即座に変化します。もちろん、入札単価の調整幅がめちゃくちゃ小さかったり、変更した広告文の見出しや説明文でも広告の品質が結果的に同じであれば変わりません。

例えば入札単価を大きく下げれば(次回のクリックから)すぐにCPCが下がったり、表示回数が減ったり、「検索広告の上部インプレッションシェア」が下がる(=掲載順位が下がっている)、ということは皆さんもご存じのとおりかと思います。これらは、もっとかみ砕いていうと下記を意味します。

  • 入札単価を下げたことでそもそも広告オークションに勝てないことが増えた(表示回数が減る)
  • 広告オークションに勝った時の掲載順位が以前より低いことが増えた(検索広告の上部インプレッションシェアが下がる)
  • 掲載順位が以前より低いことが増えたために、1つ下の競合の広告ランクを上回る最低限必要な金額が下がった(CPCが下がる)

CPCは広告ランクが算出されてから(算出された時に)決まります。その広告ランクは「広告オークション”ごとに算出される」のであれば、入札単価の調整だけでなく広告の追加・修正をした場合にも、その「直後の広告オークション」の「広告ランク算出」に影響するということがおわかりいただけると思います。

算出された広告ランクのうち、

「広告ランクの下限値」とは何か

広告ランクの下限値 – 常に質の高い広告を掲載するため、表示される広告が満たすべき最低限の基準を定めています。

広告ランクについて

「広告ランクの下限値」は「広告ランク」を決定する要素の1つですが、これだけではよくわかりませんね。もう少し詳しい説明を見てみます。

下限値は、オークション時に動的に決定されます。その際には、次のようなさまざまな要素が考慮されます。

広告の品質: 質の高い広告エクスペリエンスを維持するため、質の低い広告に対しては下限値が引き上げられます。

広告の掲載順位: 検索結果ページの上位に表示される広告には、ページの下部に表示される広告よりも高い下限値が設定されます。これにより、高品質な広告がページの上部に表示される可能性が高くなります。

ユーザー シグナルや属性(地域やデバイスのタイプなど): 下限値の決定では、ユーザーの属性も考慮されます。たとえば、ユーザーの所在地(国ごとに下限値が異なる)やユーザーが使用しているデバイス(モバイルかパソコンかなど)によっても変化します。

検索のトピックと性質: 下限値は、ユーザーの使用する検索語句の性質によっても変わります。たとえば、結婚式に関連する検索と、かご編み教室の検索とでは、下限値が異なる場合があります。

テスト

上記を見ると、「広告ランクの下限値」は様々な要素によって変わるものであることがわかります。そして、広告オークションにおいて「広告が表示されるかどうか」や「どの順位に掲載されるか」は「広告ランク」によって決まりますので、自分の広告の「広告ランク」が「広告ランクの下限値」を満たしていなければそもそも広告の表示はできません。

仮にある検索語句の広告オークションにおいて、自分以外の競合の広告が1つも参加していなかったとしても、その時の広告オークションで算出された「広告ランクの下限値」が40(テキトウ)であり、自分の広告の広告ランクが30であったならば、広告は掲載できません。

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